前半期を振り返って
前期末試験が終了し、夏休みに入るとともに校舎周辺で見かける学生の数がぐっと減った。野球場や室内競技、トレニングルームがあるグランドおよび体育館、クラブハウス棟など、学生の課外活動の拠点や学生駐車場が講義などの教室棟からやや離れているせいもある。夏休みといえど、人間生活科学部の教員の多くは、なかなかゆっくり休みとはいかない。
一年次生は今年度もフレッシュマンセミナーの行事で学生生活が始まり、瞬く間の半期間であったろうと思う。年度初よりこれまでにないというほどの不況といわれ、その出口は霞の中で新入生にはなんとも先が見通しにくい状況での年度スタートであった。この状況は、4年次生にはさらに切羽詰まったことであったが、完全とはいえないまでもほんの少し明るさが感じられると言われるようになってきた。ことに衆議院の解散が確実になりかけたころより急にである。本当であれば救いだ。就活に夏休みはない。むしろ人間生活科学部の学生はこれからが佳境となる。
新1年次生ついて大学生活にうまく馴染んでいけるよう初年時教育として様々な工夫をしてきた。恊働、コミュニケーショントレーニングやゼミ対抗でのバレーボール大会、ゼミによっては学年を超えての合同バーベキューなどを通して親睦を深めるなど、教員及び学生相互の信頼関係を築くにはエネルギーを費やす。
教育保育学科一年次では今年も、学生が学内の竹やぶから3m程の竹を切り出し、七夕飾りを皆で作り、一定期間、俳句、川柳を自由にしたためられるよう短冊などを置き、季節感を肌で感じる催しを楽しんだ。ちなみに、私もつたない句を寄せた。当然ながら優秀?な句には、これからも感性をしなやかに、感受性豊かな優れた教育・保育者を目指してほしいと願い、賞状を与え讃た。
「携帯が ならないけれど 待っている」「涼みたい うちわじゃ なんだか生ぬるい」
「梅雨空に 藤莢ゆれて 滴落つ」
毎年のことであるが、人間生活科学部は忙しい前半期であった。教育保育学科の2,3年次学生は幼稚園教育実習、保育園実習、管理栄養学科の3、4年次生は、臨地実習、栄養教諭実習が通常の授業時間とは別にあり、実習期間の授業時間数の補講が課せられている。当然教員は実習先への巡回指導を行った上で補講を行うのだから、学生のみならず教員も並大抵ではない労力を強いられ忙しさを実感している。しかし、実習の訪問で顔見たときの学生のほっとした笑顔は疲れを忘れさせてもくれる。時には涙顔を励ます場面もある。
夏休みは、他学部など一般的には就職活動も終盤に近いのだが、人間生活科学部の学生にはこれからがいろいろな意味で正念場がくる。
まず、教育保育学科の3年次生は児童養護施設での実習、4年次生は公立保育士を目指す公務員の採用試験の二次三次、法人立の幼稚園、保育園の採用試験が次第に日程にあがってくる。すでに一次試験に合格し二次試験に向けての面接などの相談に幾人かが顔を見せ、採用内定を誓っていく学生もいる。管理栄養学科は臨地実習、4年次生は当然ながら資格を活かした就職先の採用試験が続く。両学科ともに4年次生は卒業論文、卒業課題研究も同時進行で関わっている。冒頭、夏休みに入りまばらになった学生の姿のキャンパス状況を述べたが、卒業研究課題の学生は大学へ、実験に実習に制作や課題の相談に来るなど、両学科ともに学生の行動は活発である。
管理栄養学科の4年次生A君は「実習を終えて感じたこと。得たこと。」として、次のように述べている。「管理栄養士はひとりで働く状況が多いので、実際に現場で働く栄養士を見て、自己解決能力の向上と自分では解決できない問題に直面したときに、相談できる仲間を得ておくことの重要性を知った。また、現在の進路については、大学院を目指している。以前はスポーツ栄養と臨床(疾病者)に対しての栄養管理は別のものと思っていたが、実際に現場での栄養管理を見ると、臨床栄養からスポーツ栄養に繋がっていることがわかった。」
これをみても、忙しい学生生活の中から学生は確実に自らの将来を見据える力を着けていることがわかる。人間生活科学部は実に忙しいと思う。しかし、この学生の言葉をみると、初年時教育が基盤にあり、講義、演習、実験、実習を通して学び取っていく姿があり、並大抵ではない労力を強いられる忙しさも、次の学生指導への励みにもなるかな、と思う。
オープンキャンパスと免許更新講習
夏休みは教員にとってもっとも意義ある時間が持てる期間であった。一昔前にはなかったが、今や大学の重要な行事となったオープンキャンパス、来週からは、いよいよ免許更新講習が始まるなど学会出席との日程調整すら難しい環境になった。だがこれも卒業生が親として子弟の進学相談にオープンキャンパスを訪れてくれたり、免許更新講習に卒業生の幼稚園教諭や保育士が受講するなど、二十数年ぶりに懐かしい顔に予期せず再会できる楽しみがある。あっという間に過ぎ去った時間が霧散、思い出話に花が咲き、談笑できるという教員ならではの喜びでもある。写真はオープンキャンパスでの卒業生とのスナップ(コミュニティプラザにおいて)
教員の夏休みはさらに遠のいていく。










