平成21年度がスタートしました。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
こころから、皆さんを歓迎いたします。
例年、この時期になると、思い出す言葉があります。「初心忘るべからず」です。
ご存じのように、「初心忘るべからず」という言葉は、室町時代の能楽者、世阿弥(ぜあみ)が「花鏡」という著書の中で述べている言葉ですが、入学式や入社式などで、よく引用されます。本来は、「能楽で、習い始めた頃の芸や、その頃の未熟さ、また、習練の各段階での最初の経験を忘れてはならないという戒め」(小学館『故事・俗信ことわざ大辞典』)といわれていますが、転じて、何事でも学び始めた頃の、謙虚に真剣に学ぼうとする心構えや、最初の決意をいつまでも忘れるな、という意味に解釈されています。
たしか、昨年の3月末か4月の初め頃だったと記憶していますが、NHKの朝のテレビ番組(「この人にトキメキ」の再放送であったかと思います)の中で、脚本家として有名な、橋田壽賀子さんが出演されていて、この「初心忘るべからず」を座右の銘としていると話されていました。橋田さんは、長い間の下積みの時代、なかなか脚本が売れなくて苦労したが、やっと採用されてそのドラマがテレビで放映されたときのうれしさと喜び、その充実感をズーと忘れないよう肝に銘じてきた、それが橋田さんのその後を支え、活躍の原動力になった、というような話をされていました。
私も、この「初心忘るべからず」という言葉が好きで、よく引用します。
新入生の皆さんは、いま、大学で専門的知識を体系的に修得したい、豊かな教養や知力を身につけたい、何か資格をとって卒業後の進路に活かしたい、信頼できる友人を見つけたい、スポーツやクラブ活動に汗を流したいなどなど、各自の目標に向かって、積極的な意欲と高い志を胸に抱いておられることでしょう。どうか、いまのその気持ちを忘れないで、精進してくださることを、期待しています。
進級して2年次、3年次、4年次になられた在学生の皆さんも、新たな決意と意欲をもって、新年度を迎えられたことと思いますが、本学へ入学された当時の「初心」を忘れないでいただきたい。とりわけ、4年次の皆さんは、卒業後の進路決定に向けて、各種資格取得のための試験や公務員採用試験等への対応、就職活動も本格化します。社会・経済状況がよくありませんが、情報をできるだけ収集して精査し、精神を集中して各自の目標達成のため邁進してください。
私たち教職員も、しっかりと皆さんをサポートしていきたいと考えています。




