消費者を巻き込むCSR|経営学部ブログ|名古屋経済大学

消費者を巻き込むCSR

10月も半ばとなり、秋らしくなりました。今年の夏は残暑がいつまでも続き、「熱中症対策」として「こまめに水分を」という注意が毎日のように聞かれました。コンビニやスーパーでミネラル・ウォーターを買い求めた人も多かったと思います。皆さんは水を買うとき、何を基準に選びますか。価格、ボトルのデザイン、ミネラル成分、原産国、そのときの気分などいろいろでしょう。でも、ある銘柄のミネラル・ウォーターを購入することが、遠いアフリカの国で井戸を掘るための資金援助になると知ったら、どうでしょう。

CSR(企業の社会的責任)というと、企業が「自腹を切って」環境保全や文化・教育事業に寄付をするというのが従来のイメージでした。最近はCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)という経営理念が提唱され、「社会に貢献したい」という消費者意識に応えるビジネスとしての「環境ビジネス」が注目されています。CSRを収益につなげる企業が、継続的な社会価値を高めるというコンセプトです。

ジャパンボルヴィックは「1L for 10L」プログラムというキャンペーンを夏場の7月から9月にかけて、ここ5年ほど展開しています。ミネラル・ウォーターを買うことで、1リットルにつき0.6円がユニセフに寄付され、それが井戸づくりやメンテナンスの費用に充てられると知ったら、消費者は自分も社会貢献に参加しているようで、ちょっとうれしくなるということです。ボルヴィックの売り上げは伸びているようです。

こうしたビジネスについてもっと知りたい場合は『日経エコロジー』2012年4月号の特集を参考にしてください。大学図書館のホームページから「日経BP」経由でアクセスできます。

「1L for 10L」プログラムの詳しいことは下記アドレスから

http://www.volvic.co.jp/csr/1lfor10l/story/index.html

文責 近藤利恵 (経営学部)