スポーツのリーダー
スポーツ場面では指導者のみならず、キャプテンもリーダーとして重要な役割を果たす必要があります。リーダーには指導者としての立場と選手としての立場の両面があり、両者が同じ目的を持ち、同じ目標に向かって取り組める状況が必要なのです。
リーダーには、①チームを組織としてうまくまとめたり、メンバーが活動しやすい雰囲気をつくる機能が必要です。また、その機能と同様に、②チームの競技成績を高めるために目標を明確に示し、それを達成するためにメンバーを動かすための機能も必要です。
前者は『集団維持能力』M機能(Maintenance)、後者は『目標達成能力』P機能(Performance)と呼ばれています。このような考え方は、三隅二不二氏が提唱した『PMリーダーシップ理論(P-M leadership theory)』であり、リーダーシップの基本的機能を“P”と“M”の二次元で示しています。
もちろん、指導者はリーダーという役割だけにとどまらずにクラブ運営についてよく理解し、次に示すような指導法の基本(理念)を修得した上で指導に携わることが大切なのです。
① 選手が“チャレンジしてうまくできた時には褒める”
② 選手が“チャレンジしたが失敗した時には励ます”
③ 選手が“チャレンジできなかった時には原因を探る”
④ 選手が“約束したことを守らなかった時には正す”
以上のように、指導者は選手のリーダー共々、目標とすべき成果をあげられるスポーツクラブを造り上げることが役割の中心となります。従って、リーダーにはメンバー一人ひとりがチーム造りに積極的に取り組めるようなリーダーシップを発揮することが求められています。
文責 吉澤洋二教授(経営学部)