Winnie-the-Pooh (熊のプーさん物語)|経済学部ブログ|名古屋経済大学

Winnie-the-Pooh (熊のプーさん物語)

ブログの執筆担当なので、 Winnie-the-Pooh の話をしてみます。

Winnie-the-Pooh とは誰でしょうか。 Winnie-the-Pooh とは、アラン・アレクサンダー・ミルンというイギリスの作家の本 Winnie-the-Pooh とその続編 The House at Pooh Corner に登場するクマのぬいぐるみの名です。作者のミルンにはクリストファー・ロビンという息子がいて、この子が大きなクマのぬいぐるみをもっていたので、このぬいぐるみを主人公にして息子クリストファー・ロビンも登場する物語を作者ミルンは書いたのです。童話を自分の子に読んであげるお父さんたちはよくいますが、ミルンはそれを自分の息子のために作ったわけです。

この童話を楽しむには E. H. Shephard の絵を見るのが一番です。英宝社で出ている高橋徹/冨永道夫 編註の『熊のプーさん物語』には、このクラッシックなさし絵が載っています。デズニーのものとはだいぶ違います。その最初のさし絵を見てください。(そのさし絵をこのブログに載せられなくて残念!) このさし絵には、プーさんが木の根元に造った自分の家の前の丸太にすわり、消えかけのたきぎにあたり、ボーッとしているところが描かれています。プーさんの木の家の表札には “SANDERZ” と書かれています。原文を読むと、この表札は「金の文字で」書かれているとあるので、立派な家柄の一族のもののようです。プーさんは格式ある「サンダー家の者たち」のひとりだ、と名乗っているつもりのようですが、 SANDERZ の綴りの最後の Z は、 S でなければその意味にはなりません。プーさんの家の表札は、森のどこかで拾ってきた物かもしれません。どうもプーさんはあまり頭がよくないようです。

プーさんの名前 “Pooh” は、「へん!」という<軽蔑>を表す発声として使われる言葉です。たとえば “Pooh! Nonsense!” と言えば、「へん、ばかな。」という意味です。 “pooh-pooh” と重ねると、「~をさげすむ、ばかにする」という意味の動詞にもなります。ちなみに “Winnie-the-Pooh” という名は、「プーなるものウイニー」という意味です。 “Alexander the Great” は元々「偉大なるものアレクサンダー」という意味ですから。どうも「プーなるものウイニー」とは、日本語に訳せば「ばっかなウイニー」という意味になるようです。

名古屋経済大学の内久保キャンパスは自然に恵まれ、春は桃やサクラが咲き、秋は美しく葉が色づきます。さすがに熊は見たことがないけれど、なんとなく大学の授業で『熊のプーさん物語』をやりたくなり、何度か学生諸君とこのテキストを読みました。読者の皆さんも一度 E. H. Shephard のさし絵を見ながらこの物語を楽しんではいかがでしょうか。

大野 隆