韓国と緑茶|経済学部ブログ|名古屋経済大学

韓国と緑茶

「韓国のお酒以外の飲み物で思い浮かぶものは何?」という質問をしたとしましょう。
その答えとしては、ゆず茶やとうもろこし茶が挙がるかもしれません。ここで、「緑茶」という人はどれくらいいるのでしょうか?
韓国へ調査に行って調査先を訪問すると、緑茶よりもコーヒーがよく出てきます。日本のようにほぼ100%緑茶ということはあまりありません。時代的な背景もありますが、韓国では、緑茶は日本のように日常的に飲まれるものではないようです。では、この代表格が何かというとコーヒーです。

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前書きが長くなりましたが、韓国には南部地域に代表的な緑茶産地が3ヶ所あります。宝城(ポソン)、河東(ハドン)、済州(チェジュ)です。今回はこれらの産地や関連企業(化粧品)の調査を行いました。消費拡大に向けて、緑茶と観光を結び付けた取組みなども行うほか、緑茶成分を利用した化粧品開発、飲料の開発や販売が行われていました。
これらの話を聞いてスーパーに行くと、緑茶売場が日本と少し違うことに気づきました。茶葉を販売する棚のスペースが小さいこと、ティーバッグの緑茶が多いということ、緑茶の成分を利用した飲料(粉末タイプ)の多いということです。

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なぜこうなっているのか?と考えたときに、調査のときに聞いたことが浮かびました。
「日本や中国に比べて、緑茶を飲む習慣が消費者には定着していないので、その他の方法でアプローチしています。」ということです。つまり、緑茶に加えて、緑茶を利用した何かで消費者に訴えかけているということです。
今回の調査で、韓国の緑茶の消費が日中両国に比べて少ない理由として、緑茶を飲むという習慣が消費者に定着していないということがわかりました。このため、消費を増やすべく様々な取組みが行われていました。韓国の緑茶に関しては、消費が生産を規定しているようです。(田村 善弘)