国際シンポ(ドイツ)で報告をしてきました
本学法学部の榊原嘉明先生が、2017年5月3日(水)から同月6日(水)にかけてドイツのベルリンおよびボンで開催された国際シンポジウム(主催:独日労働法協会(DJGA))に参加しました。
共通テーマは「ドイツと日本における労働世界のデジタル化」でした。
榊原先生より写真とコメントをいただきましたので、以下ご報告・ご紹介いたします。
最近、独日の産業界においては、「インダストリー 4.0(第4次産業革命)」と称して、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、ロボット革命、クラウド・ソーシング(情報プラットフォームを介した不特定多数に対する業務委託)の推進・拡大が政府主導で実施されています。しかし、モノづくりやサービス提供のあり方が変われば、働き方も変わる。そこで、開催されたのが、今回の国際シンポジウムです。
「労働世界のデジタル化」で最も衝撃的なのは、「企業」はもはや人を「雇用」しなくなる、という現実です。現在、就業者は全体で6500万人程度、そのうち、企業に雇われて働く「雇用者」は約5500万人と85%ほどを占めているのに対し、企業に雇われずに働く「自営業者」は、約1000万人と15%にすぎません。しかし、その割合が、場合によっては逆転するかもしれないというのです。しかも、早ければ20年後には。
そのような「労働4.0」の世界における「労働」とは、どのようになるものと予想されるのか。また、そのような労働世界に対し、「法」は、どのような形で存在しうるのか。そもそも、「労働法」という分野は、存在し続けることができるのか。シンポジウムでは、ドイツ法研究者と日本法研究者がそのようなことを話し合ってきました。毎日、朝8時30分から夕方18時までかかる、とてもタフでとても充実した4日間でした。
1日目 ドイツ連邦労働社会省(BMAS)‐「日本とドイツにおける労働4.0白書」など
2日目 フンボルト大学ベルリン‐「新たな就労形態としてのクラウド・ワーキング」など
3日目 ルール大学ボン‐「労働4.0と労働法上の労働者性・使用者性」など
4日目 ルール大学ボン‐「労働4.0と集団的労使関係(法)」など
榊原先生は、このシンポジウムで「労働世界のデジタル化と労使関係(法)」というテーマの報告をいたしました(写真は、会場とその周辺の写真です)。
外国に行くと、とても自分の国ではなかなか経験できない素晴らしい経験がたくさんできます。みなさん、ぜひ留学の参考にしてください!